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積算とは|建築積算の基本をわかりやすく解説

目次

はじめに

建築工事において「積算」は、工事金額を決定するための極めて重要な業務です。しかし、建築業界以外の人にとっては分かりにくい言葉でもあります。本記事では「積算とは何か」という基本から、積算業務の流れまでを体系的に解説します。建築業界への就職・転職を考えている方や、積算業務に初めて関わる方にも役立つ内容です。

積算とは?基本を解説

建設工事の3本の柱の一つ|設計・積算・施工

建設工事は大きく「設計」「積算」「施工」という3つの柱で成り立っています。
設計は建物の形状・性能・仕様を図面として具体化する工程です。施工は、設計図をもとに実際に現場で建物をつくる工程を指します。そして、その中間に位置するのが「積算」です。積算は、設計図に基づいて必要な材料や数量、工事内容を整理し、工事にかかる金額を算出する役割を担います。積算が正確でなければ、工事の採算が合わず、品質や工程にも大きな影響を及ぼします。そのため、積算は設計と施工をつなぐ重要な橋渡しの役割を果たしています。


一言で表現するなら「工事金額を算出すること」

積算を一言で表すなら「工事金額を算出すること」です。建築工事では、材料費・労務費・機械費・経費など、多くの費用が複雑に絡み合います。これらを感覚や経験だけで決めることはできません。積算では、設計図や仕様書をもとに数量を拾い出し、客観的な単価を掛け合わせて金額を算出します。適切な積算が行われることで、発注者は妥当な工事金額を判断でき、施工者は利益を確保した計画的な工事が可能になります。積算は、建設工事の「お金の設計図」とも言える重要な業務です。


建設工事(プロジェクト)の流れ

建設工事は、まず設計から始まります。設計者が建物の用途や条件を整理し、設計図や仕様書を作成します。次に、その設計内容をもとに積算が行われます。積算では、工事全体に必要な数量と金額を整理し、見積書としてまとめます。この見積金額をもとに工事契約が結ばれ、施工段階へと進みます。施工では、積算時に想定した工程やコストを意識しながら工事を進めることが重要です。このように、設計・積算・施工は独立した工程でありながら、互いに密接に関係し合い、建設プロジェクト全体を支えています。


積算業務の流れ

  • 設計図から数量の算出
  • 単価の決定
  • 工事費の算出
  • 見積の提出
  • 金額調整・契約

設計図から数量の算出

積算業務の最初の工程は、設計図から数量を算出することです。図面や仕様書を読み取り、コンクリートの体積、鉄筋の重量、仕上げ材の面積などを細かく拾い出します。この作業は「数量拾い」と呼ばれ、積算の精度を左右する重要な工程です。設計図に不明点や矛盾がある場合は、設計者へ質疑応答を行い、条件を明確にします。質疑を怠ると、後工程で金額差異やトラブルが発生する原因となるため、慎重な確認が求められます。


単価の決定

数量を算出した後は、それぞれに単価を設定します。単価は、過去の実績データや積算資料、専門業者からの見積取得などをもとに決定されます。特に専門工事については、協力会社や専門業者に見積を依頼し、実勢価格を反映させることが重要です。また、地域差や工事条件によって単価は変動するため、最新の市場動向を把握する単価調査も欠かせません。適切な単価設定は、積算の信頼性を高める要素となります。


工事費の算出

数量と単価が揃ったら、工事費の算出を行います。ここでは単純な材料費だけでなく、工程表をもとにした工期の検討、現場経費や仮設計画の費用も加算します。仮設工事には足場、仮囲い、仮設電気・水道などが含まれ、工事規模や立地条件によって大きく変わります。さらに、現場を管理するための現場経費や、会社全体の運営に必要な一般管理費も工事費に含めます。これらを総合的に積み上げることで、現実的かつ実行可能な工事金額が算出されます。


見積の提出

算出した工事費は、見積書としてまとめられ、発注者に提出されます。見積書には、工事項目ごとの内訳や金額が明確に記載され、発注者が内容を理解できることが重要です。単に金額を提示するだけでなく、積算条件や前提事項を明示することで、後の認識違いを防ぎます。見積の提出は、発注者との信頼関係を築く重要な場面でもあります。


金額調整・契約

見積提出後は、発注者との金額調整が行われます。この段階で活用されるのがVE(バリューエンジニアリング)やCD(コストダウン)です。性能や品質を維持しながらコストを抑える提案を行い、双方が納得できる金額を目指します。調整が完了すると、工事請負契約が締結され、正式に施工段階へと進みます。積算は契約成立まで深く関与する業務です。


まとめ

積算とは、建築工事における工事金額を算出するための専門的かつ重要な業務です。設計・積算・施工という建設工事の3本の柱の中で、積算はお金と計画をつなぐ役割を担っています。設計図から数量を拾い、適切な単価を設定し、工程や仮設計画、経費を含めた工事費を算出することで、初めて現実的な工事計画が成り立ちます。正確な積算は、発注者と施工者双方にとっての安心材料となり、建設プロジェクトの成功に直結します。建築業界で積算を理解することは、工事全体を俯瞰する力を身につけることでもあります。初心者の方も、ぜひ積算の基本を押さえておきましょう。

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